科学館に行こう

 長野県臼田にあるJAXAの宇宙空間観測所に行ってきた。街中から車を走らせ30分、携帯の電波も届かない山の中に東洋一の大きさのパラボラアンテナがある。雑電波の影響の受けない山の中に作ってあるんだ。このパラボラアンテナは、日本が打ち上げた人工衛星の中でも、地球を周回するものでなく、遠い宇宙にまでいく人工衛星と交信するためのものだ。
観測所の敷地内には55億分の1の太陽系模型があり、宇宙はほんとうに広いということが体感できる。ここにくると、人間のすばらしさと小ささを感じる。

 また、日本にはたくさんの科学館がある。特に東京周辺には立派な科学館がそろっている。お台場の「日本科学未来館」、北の丸の「科学技術館」、上野の「国立科学博物館」などがある。では、多くの科学館の中で科学工作の一番充実しているところはどこでしょうか(科学実験ではなく工作です)。私は、長野県佐久市子供未来館ではないかと思う。実にたくさんのレシピがあり、アイデアいっぱいの工作をさせてくれる。神奈川県伊勢原市の子ども科学館も、小粒な科学館ではあるが、いろいろな科学工作をさせてくれる。
 私は、科学館がもっともっと工作を充実させてくれるといいと思う。巨大な展示物や体感的な乗り物、恐竜の展示は人気がある。しかし、科学館はゲームセンターや遊園地ではない。
 近年、科学はコンピューターの普及により高度化し、理解しにくくなっている。私が子どものころは、こわれた電気製品やカメラ、時計をばらすのが楽しかった。そこには、さまざまなメカニカルな工夫がなされていた。今の電気製品は、プログラムとプリント基板の塊であり、仕組みが見えにくい。今の子どもたちにとって、科学は自分とは別の世界のものと思いがちだ。だからこそ、科学工作のように、自分の手で作ることのできるものを通して、「不思議」を身近かにひきつけ、「自分にもできる」、「科学は楽しい」という感覚を与えることが大事なのだと思う。


JAXAの宇宙空間観測所