生徒の工作経験が最も豊富な年度末に、コンテストを実施しました。1枚の厚紙を用い、卵の周りに自分の考えたクッションを取り付け、3メートルの高さから落とし、割れないようにするコンテストです。使っていいのは、工作ボール紙1枚とコピー用紙1枚)、ボンド、セロテープです。
卵が落ちるスピードをゆっくりにしたり、衝撃をやわらかくしたり、衝撃をたまごに伝えないようにするにはどうしたらいいか?を考えました。
卵が割れないためには、奇抜なアイデアときちっと作りこむ技能が必要です。最初は、高学年が優勢と思っていましたが、どの学年にもほぼ均等に成功者が出ました。全体では3個に1個が成功しました。
コンテストは結果が出るため、割れてしまった生徒の中にはがっかりした生徒もいました。 しかし「先生、リベンジしたいからまたやって」という生徒もいました。自分のアイデアを形にするには、トライアンドエラー(試行錯誤)はさけられません。失敗をばねにもう一度挑戦することが一番大切です。
卵落としコンテストは、名古屋大学の生田幸士教授が開発した大学生向けの教育方法で、現在では、多くの大学や宇宙航空研究開発機構(JAXA)で実施されています。本来は3階の校舎(9m)から落下させるものですが、つくつくクラブではそれができないため、各教室の天井付近から落としました。
1997 年に探査機マーズ・パスファインダーが火星に着陸しました。着陸には風船(エアーバッグ)が使われ、探査機は地面に衝突したあと1kmも転がって停止しました。この方法は着陸装置を備えた探査機と比較して、大幅なコスト削減を可能にしました。このマーズパスファインダーを卵に見立て、エアバッグを厚紙に変えて、卵を割らずに着陸させることが今回の課題のテーマです。