粘土 と レゴ

 作品を作るためには手先を使います。子どものころに手先を使うということが、脳の成長を促します。近年では、認知症の予防や老化防止にも工作が取り入れられていて、老人ホームや介護支援施設から工作の依頼が来ることもあります。
 例えば、文字を書くということも手先を使うことですが、ペンで文章を書くということと、キーボードで打つということは、頭の使い方に大きな差があります。文字の大きさ、揃え方、筆圧、文字の形や書き順などペンで文章を書く方が、ずっと脳を使うからです。工作も同じでボンドを使って張り合わせたり、粘土で造形することは、レゴを組み立てるよりもずっと複雑な作業になります(レゴにはレゴのよさがありますが)。
 例えば、木材を段差がないように張り合わせるとき、私は段差がないか指先でなでてみるように指導します。指先の触覚によって目に見えないわずかな段差もとらえることができるからです。全身を使って物を作るということが大切で、そうしたことが脳の発達によいのだと思います。
 つくつくの工作も、できるだけアナログ式に手先・指先をの微妙な感覚を使うものにしたいと考えています。

 

電熱カッター盤でスチロールを切断しています。
手の動きを止めるとスチロールが溶けてしまうため、
ゆっくりと正確に動かすことが求められます。